年縞... 一ノ目潟の底に眠るバーコード

年縞調査についての結果報告からはじまったセミナーじゃ

皆さんは「年縞」というものをご存知かの?「ねんこう」と読むそうじゃ。
これは、湖などの底に長い年月をかけてたまった土の層の事で、土の年輪とでも言うべきものらしいんじゃ。

この年稿というのは、どこにでもあるものではないらしく、非常に特殊な条件(なんでも水の対流が少なく湖底に酸素が回らない=微生物が生息できず堆積物が分解されない環境)が必要との事じゃった。
世界でも数箇所にしかないそうで、中でも男鹿の一ノ目潟の年稿は非常に明瞭で、現在注目の的らしいんじゃよ。
一ノ目潟というのは、戸賀地区にある地域の飲料水源にもなっておる綺麗な湖じゃ。八望台というところから眺める事ができるんじゃよ。

で、このたびこの研究をされておる方の研究発表があるとの事でワシもご拝聴させて頂いたという訳じゃ。

年稿には花粉や植物プランクトンの化石などが含まれていて、当時の1年毎、突き詰めると季節ごとの環境・気象状況などを分析する事ができるそうなんじゃよ。
日本の環境考古学研究の第一人者といわれる安田喜憲先生がこの研究成果と、当時の歴史との因果についてお話をされていたんじゃが、なかなかに興味深い内容じゃった。

ん?具体的にじゃと?それをワシに聞くのは野暮と言うものじゃろう(笑)

年縞の標本じゃ

ちなみに一ノ目潟は飲み水の水源という事もあり、立ち入り禁止のため、間近で見る事はできんのじゃよ。無断進入すると逮捕されますぞ。
まあ、仮に間近に行ったところで、年稿は湖の底なんじゃから見れるはずもない。
ボーリング調査で掘り上げた年稿の標本は、現在男鹿水族館GAOに特別展示されているから興味のある方は、GAOにお越しになるとよいじゃろう。

いやあ、男鹿は地質学の研究者のあいだでは結構有名だという話は聞いておったが、こういう分野でも脚光を浴びておるんじゃね。
まだまだ奥が深いのう・・・

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